ゲイなのに結婚しようと思った理由について、親を安心させたいという動機は、別のエントリーで書きました。
もう1つ、仕事の影響が大きかったように思います。
今では転職してしまいましたが、就職した時はかなりお堅い職場で働いていました。男が圧倒的に多く、体育会系で古臭い、軍隊のような体質の職場でした。それが嫌だったかというと、現場業務も抱えていたので、筋肉質の男たちがわんさかいる職場は、まんざらでもありませんでしたw
こんなマッチョな職場では、ゲイであることがバレた時のことなど想像するのも恐ろしく、ひたすら隠していました。バレることへの恐怖感からオープンなゲイ活動は控えて、ひたすら隠れゲイを決め込んでいました。今思えば、20代の一番楽しい時期をそんな風に過ごしたことを本当に後悔しています。もっと外に出てゲイの友人でも作っていれば、考え方も変わっていたかもしれません。
特定の彼氏もいなかったので、休みの日はもっぱら掲示板で見つけた男とその場限りのセックスばかりしていました(ちゃんとセーフセックスです、もちろん)。休みの日は隠れて男遊び、そしてまたノンケのフリをして仕事。その繰り返しでした。
その職場は、総じて結婚が早く、20代で子供が2~3人いて、マイホームを持っているような人がゴロゴロいました。割と安定した仕事のためか、人生のレールは真っ直ぐゴールまでつながっていて、20代にして順風満帆、あとは定年まで着実に歩むだけ、という考え方が支配的でした。もともと俺もあまりレールから外れたことはしたくない(したくても勇気がない)人間だったので、同じような考えにすぐに染まりました。
同期の人間が1人2人と結婚していき、結婚式に呼ばれ、子供が生まれた報告を聞いていると、焦りが生まれてきました。俺も早くしないと乗り遅れてしまう、レールを踏み外してしまう、そんな強迫観念にとりつかれていました。いつまでも男と遊んでいるわけにはいかない、ゲイであることを早くあきらめて、本物のノンケになって結婚しなければ…そう考えるようになっていきました。
生まれ持った性癖を抑え込むことがこんなに難しいとは、その頃は分かっていませんでした。
当たり前ですが、そんな生活で結婚相手が見つかるはずもありません。同僚に誘われて合コンにも行きましたが、興味のない女性に愛想を振りまくことが苦痛でした。結婚相談所にでも行こうかな…そんなことを考え始めていた時、仕事で出入りがあった会社に勤めていた、今の妻に出会いました。
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