気は進まないのですが、既婚ゲイとしてブログを書くなら、やはり妻とのことに触れないわけにはいきません。
既婚ゲイの方のブログを拝見していると、多くの方が「妻とは良好な関係」「妻を愛している」「今でもセックスはしている」と書いていらっしゃいます。単純に尊敬します。ゲイを隠して結婚するなら、せめて奥さんへの愛情は一生持ち続け、肉体的な満足は与えてあげなければいけないと思うからです。
俺は…できませんでした。
このブログでは自分の気持ちを正直に言いたいので、隠さず書きます。妻への「愛情」という感情はもうなくなってしまいました。
決して、冷え切った夫婦というわけではありません。会話もするし、一緒に外出もするし、協力して子育てをして平和に暮らしています。ただ、「愛情」はもうありません。子供が生まれてしばらくしてからセックスもなくなり、数年後に気まぐれで1、2回しましたが、その後は一切ありません。昔は、何でしてくれないんだと問い詰められたこともありましたが、「もうする気が起きない」と言い続けて向こうもあきらめました。
ノンケだったら愛し続けられたのか、それは仮定の話なのでよく分かりません。ノンケの夫婦でも、当初の愛情は冷めてセックスレスなカップルはたくさんいます。それでも、子供の親として、家庭を守るパートナーとして、別の意味の愛情(絆)が生まれ、同志として一緒にいる、という仲の良いカップルだってたくさんいると思います。うちもそんな感じなのかな、と思っています。
ただ、俺がゲイを隠していたために、妻に「女性として愛情を注ぐ」ということに早く疲れてしまったのは事実だと思います。ノンケを一生演じて女性を愛情の対象とすることを決めたのに、それができなかった俺は、やっぱり妻に申し訳ないことをしたと感じています。
離婚も頭の中では何度も考えました。
ただ、本当に口に出すところまでは踏み切れませんでした。本当ならば、妻は俺みたいな人間と離婚して新たな幸せを見つけることが一番でしょう。でも、まだやり直せたかもしれない30代の日々は、怒涛の子育てに忙殺され、何かを考える間もなく過ぎ去って行きました。気付けば40代。もう若くはありません。妻にとって、離婚が必ず幸せにつながるとは無邪気に言えない歳です。また、子供たちにとって、こんな両親でも揃っていることがきっと(少なくとも今は)大事なことだろうと考えています。
今は、男女の愛情はなくとも、子育てという一大事業を共に成し遂げるパートナーとして、うまくやっていくしかないのかな、と思っています。
じゃあ、将来子供が独立してしまったら、その時俺ら夫婦は一緒にいる意味があるのか…
まだ、その答えは見つかりません。
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