2ntブログ
    2017/01/07

    職場の男たち-年上デブ好きの俺を作った原点

    「ゲイなのに結婚しようと思った理由2」というエントリーで、以前の職場のことを書きました。


    圧倒的に男が多い職場でした。体育会気質で筋肉バカ自慢が揃っていたのですが、俺には毎日が目の保養になる最高の職場…とはなりませんでした。

    俺、細い人あんまりタイプじゃないんです。


    体力が要求される仕事でしたが、それは持久系の体力だったので、マラソンが趣味で腹筋がバッキバキに割れて体脂肪率1ケタ、みたいな細マッチョがゴロゴロいました。バルク系マッチョ・ガチムチが何より大好物だった俺にとっては、下半身は全く反応しないタイプの男ばかりでした。


    そんな中、ある時から職場のおじさんたちに目がいくようになりました。現場第一線は退き、若い頃から習慣づいたトレーニングをかろうじて継続しているものの、体はすっかり緩みがち、というおいしそうな体つきのおじさんが結構いたんです。ガッチリした体躯に適度な脂肪、少し出た腹とデカいケツ、太い腕と太い首…密かにズリネタにさせてもらった人は何人かいました。


    若い頃は、同年代のガッチリ体育会系マッチョが好きで、ゲイビデオのブランドでいえばチークスGAMES系が好みでした。それがいつしか、見るビデオは徐々にブロンコスタジオになり、V Factoryになり、サムソンになっていきました。


    今ではMEGA HUNK CHANNELBIGGYM DATA MARKETなどのエロ動画配信サイトを見る時、迷わず


    「ガチデブ・熊」


    をクリックするようになってしまいました…

    そんな年上+ガチデブ好きの俺の原点は、職場のおじさんたちにあると思っています。


    そんな目で同僚たちを見ながらも、完全なる隠れゲイだった俺は、職場では一切ゲイのスイッチを切り、バレないことだけを考えて仕事に打ち込んでいました。カモフラージュはうまくいっていた、はずだったのですが…


    ある人にバレていました。


    この話はまた今度。



    今の俺の大好物。


    2017/01/07

    ゲイなのに結婚しようと思った理由2

    ゲイなのに結婚しようと思った理由について、親を安心させたいという動機は、別のエントリーで書きました。


    もう1つ、仕事の影響が大きかったように思います。

    今では転職してしまいましたが、就職した時はかなりお堅い職場で働いていました。男が圧倒的に多く、体育会系で古臭い、軍隊のような体質の職場でした。それが嫌だったかというと、現場業務も抱えていたので、筋肉質の男たちがわんさかいる職場は、まんざらでもありませんでしたw

    こんなマッチョな職場では、ゲイであることがバレた時のことなど想像するのも恐ろしく、ひたすら隠していました。バレることへの恐怖感からオープンなゲイ活動は控えて、ひたすら隠れゲイを決め込んでいました。今思えば、20代の一番楽しい時期をそんな風に過ごしたことを本当に後悔しています。もっと外に出てゲイの友人でも作っていれば、考え方も変わっていたかもしれません。

    特定の彼氏もいなかったので、休みの日はもっぱら掲示板で見つけた男とその場限りのセックスばかりしていました(ちゃんとセーフセックスです、もちろん)。休みの日は隠れて男遊び、そしてまたノンケのフリをして仕事。その繰り返しでした。

    その職場は、総じて結婚が早く、20代で子供が2~3人いて、マイホームを持っているような人がゴロゴロいました。割と安定した仕事のためか、人生のレールは真っ直ぐゴールまでつながっていて、20代にして順風満帆、あとは定年まで着実に歩むだけ、という考え方が支配的でした。もともと俺もあまりレールから外れたことはしたくない(したくても勇気がない)人間だったので、同じような考えにすぐに染まりました。

    同期の人間が1人2人と結婚していき、結婚式に呼ばれ、子供が生まれた報告を聞いていると、焦りが生まれてきました。俺も早くしないと乗り遅れてしまう、レールを踏み外してしまう、そんな強迫観念にとりつかれていました。いつまでも男と遊んでいるわけにはいかない、ゲイであることを早くあきらめて、本物のノンケになって結婚しなければ…そう考えるようになっていきました。

    生まれ持った性癖を抑え込むことがこんなに難しいとは、その頃は分かっていませんでした。

    当たり前ですが、そんな生活で結婚相手が見つかるはずもありません。同僚に誘われて合コンにも行きましたが、興味のない女性に愛想を振りまくことが苦痛でした。結婚相談所にでも行こうかな…そんなことを考え始めていた時、仕事で出入りがあった会社に勤めていた、今の妻に出会いました。


    2017/01/07

    ゲイなのに結婚しようと思った理由

    若い頃、このままずっとゲイではいられない、一生独りなんて考えられない、いつか足を洗って結婚しよう、結婚しなければ…と焦っていました。

    そう思っていた理由のうち、親の存在は大きなものでした。結婚して家庭を持った姿を親に見せて、「人並みの人生を送ってるよ、安心してくれ」というメッセージを送ることが、一番の親孝行だと信じていたからです。人並みの人生って何だよ、家庭を持つことだけが人並みなのかよ! と、今では思います。でも、情報が少ない時代に社会規範や慣習は、今よりもっと恐ろしいものに感じていました。

    インターネットを普通の人も使うようになり始めたのは、俺が大学を卒業した前後あたりからです。ネットを通じて、ゲイなんて当たり前にいること、同じような境遇の人がたくさんいることが分かり、その人たちとコミュニケーションがとれるようになってからは、少し考え方が変わりました。生まれるのがあと5年くらい遅くて、ネットで情報が氾濫しているのが当たり前の時代に青春時代を送っていれば、俺も違う価値観を持ったかもしれません。

    今では、本当の自分を偽って生きるよりも、ずっと良い生き方があるのかもしれない、と考えられるようになりました。家庭を持った自分には、もう手遅れでしたが。

    情報は、最強の武器になります。

    2017/01/07

    親のこと

    親父は堅い仕事をしていて、母は専業主婦でした。
    田舎で、特に裕福でも貧乏でもない家庭に育ちました。思春期には人並みに反抗期があり、親と口をきかない時期もありましたが、ひどくグレることもなく、振り返ってみればフツーに育ちました。

    もう先がそんなに長くない親には、できる限り親孝行をして、「いろいろあったけど、まあ幸せな人生だったなぁ」と思いながら旅立って欲しいと思っています。

    情報が少ない当時、田舎の親世代にとっては同性愛者なんていうものが身近にいるなんて、ましてや自分の息子がそうだなんて想像もつかない話だったはずです。ネット文化が急速に発展するまでは、同性愛はテレビで見る美輪明宏やおすぎとピーコがいる遠い世界でしかありませんでした。今でこそテレビにおネエタレントがあふれているのを見て、親もゲイの存在くらいは認識しているかもしれませんが。

    賛否両論あると思いますが、それでも、自分の息子がゲイだなんて、知らずにいることが俺の親にとっては一番幸せなことだと信じています。

    2017/01/07

    「既婚ゲイ」という自分

    既婚ゲイ。
    同性婚がチラホラ聞かれ始めた今ではややこしい言葉になってしまいましたが、通常は「ゲイであることを隠して異性と結婚した人」を指すと思います。

    もちろん自分以外にもたくさんいるだろうとは思っていましたが、ネットをざっと見回しただけで、けっこう既婚ゲイの方がやっているブログなどに出くわすので、意外と身近にいるのかもしれません。

    過去を捨て、ノンケとして生きていく覚悟を本気で決めたのならば、それはもうただの「既婚者」であって、「既婚ゲイ」ではありません。

    既婚ゲイとは、俺のように、一生ノンケを演じることを決めたと一度は言いながら、ゲイである自分をあきらめきれない、中途半端で弱い人間のことを言うのだと思います。そして、ノンケを演じる家庭人の自分と、ゲイとしての自分もできれば両方満喫したいという、とても贅沢で自分勝手な人のことを、そう呼ぶのだと思います。

    道を踏み外してしまった、そう思っています。
    今、タイムマシンで結婚前に戻れるなら、決して同じ選択はしません。でも、俺はその決断をしてしまいました。その時は、これが最良の道だと信じていました。後になって、結婚せずにゲイとして生きる道を選ぶべきだった、と思うこともありました。もう少し若く、子供がいなければ、ひょっとすると引き返せていたかもしれません。でも、もう後戻りはできません。

    人生は選択と決断の連続で、時に取り返しのつかない選択ミスをすることもあるのだと思います。そんな自分と向き合い、生きていこうと思います。