といっても、「ゲイの同僚に、仲間だとバレた」という意味です。
タイトルから修羅場の話を期待した方、ごめんなさいw
「職場の男たち」という話で、転職する前のお堅い職場のことを書きました。男社会で、ひたすらゲイであることを隠して、バレることを恐れて生きていました。
バレないためなら、飲み会の後に誘われてキャバクラにも付き合ったし、合コンにも行ったし、社員旅行ではススキノのソープにすら行きました。未婚の30代の先輩を相手に、「実はホモなんじゃないですかぁ~」なんてノンケが言いそうな冗談を、自分が言われたくないがために、自ら言っていました(ひどい人間です。今は申し訳なかったと思っています)。
こんな努力のおかげで?職場でのカモフラージュは成功していました。
そんなある日、携帯にショートメールが来ました。
「お久しぶりです、今度飲みにでも行きませんか」
全く違う部署の人だったのですが、以前仕事で関わりがあり、知り合いではありました。ガチデブの坊主頭で優しい顔をしていて、実は超タイプだったんです。仕事の話をしに行く時は嬉しくて、凝視して怪しまれないよう注意していました。プライベートの話をするほどの関係ではなかったので、まあ年齢的にとっくに結婚されていて子供が2、3人いる感じかな~程度に思っていました。
実はこの頃、俺はもう転職した後でした。突然のメールでびっくりしたものの、また会えることが嬉しくて、「ぜひ、行きましょう!」と返信しました。場所をどこにするか決める段になると、
「新宿、浅草、上野、新橋、どこでもいいよ!」
と返ってきました。…勘のいい人ならピンと来ましたか? この時は俺は全く気付きませんでした。お互い出やすい新橋で会うことにして、1つ気になることを聞いてみました。仕事で関わりがあった頃ですら飲みになんて行ったことないのに、なぜ今?と不思議に思ったからです。「ところで◯◯さんがどうして俺を飲みになんて誘ってくれるんですか??」と聞いてみると、
「え~と…◯◯(地名)の□□(店舗名)と言えば、分かりますかね~」
「えーーーーーーーーーーっっっ!!!!!! マジで!!!!!」
とひっくり返るくらい驚きました。
いきなり過ぎて頭の整理がつかず、「え? え? え?」とパニくりました。
◯◯の□□というのは、有名なハッテン場の名前でした。
◯◯さんもゲイってこと…??
だとしてもなんで俺が仲間だって知ってるわけ…??
誰にもバレてないはずなのになんで????
ひたすらパニくって、「もしかしたら俺がゲイだと疑ってカマかけてるだけかも…」と疑ってしまい、「何を言っているのか分かるような、分からないような」と意味不明の返信をしました。
俺の警戒心を見透かしたように、「がはははは! ナイモンとか、ジャックドって言えば信じてもらえますかねえ」と返ってきました。間違いありません。ゲイしか知らないであろうアプリの名前を出されて、ようやく本当に◯◯さんがゲイなんだと確信しました。
あ、そういうことか。飲む場所の候補として出してきたのは都内主要ゲイスポットじゃないか。ここでようやく気が付きました。俺、鈍感すぎますかね??
なぜ俺のことが分かったか聞いてみると、またまた衝撃的な答えが返ってきました。
「目撃談がありますよ」
えーーーーーーーっっっ!!!! マジで!!!」(←この日2回目)
どこで????
誰に????
何してるところを???(←これ一番重要w)
「その◯◯の□□(ハッテン場)で。同期にお仲間がいるでしょ?」
職場のゲイは1人も知らなかったので、ましてや同期となると、「誰? 誰? 誰?」とまた頭がぐるぐる回り始めました。しかもハッテン場…。言っておきますが、俺は別に夜な夜なハッテン場通いをしているわけではないですよ。いつ行ったかも思い出せないくらい前のことなのに、その日にたまたま同期に見られるなんて、なんという偶然でしょうか。「飲む時連れていくので、お楽しみに!」と言って、誰かは教えてくれませんでした。
そしていよいよ飲み会当日。
居酒屋に早めに着いてしまい、先に入って待っていました。もし◯◯さんが遅れてその同期という人が先に来たらどうしよう…。同期と言っても人数が多いので、知り合いとは限らないのです。
幸い、その同期は◯◯さんと店の前でちょうど会ったらしく、一緒にやって来ました。その顔を見ると…
「えーーーーーーーっっっ!!!! マジで!!!」(←3回目)
もう十分です…。今回の件で10年分くらいのびっくりを堪能しました。
現れたのは、数百人いる同期の中で、研修後に同じ職場に配属され、6年くらい一緒に働いたヤツでした。全然分かりませんでした。さすがうちの職場で働いているだけあって、完璧なノンケっぷりです。むしろ、「女ったらし」のイメージすらありました。
「お前めちゃくちゃ夜遊びしてたから、てっきり女かと…」
「そう、あれ2丁目www」
「◯◯(ハッテン場)で俺を目撃したって…まさか俺とヤッてないよね??」
「気付くだろ!!!!」
みたいな会話を楽しむうち、ようやく冷静になれました。
こんな身近にいたなんて、驚きではありましたが、なにより嬉しかったです。職場では、ゲイであることを自分から隠していたとはいえ、本当の姿を偽り続けることに孤独感と疲労感もありました。転職したとはいえ、これからも隠すことには変わりありません。でも、こんなに身近に本性をさらけ出せる人がいる、これだけで随分救われた気分になりました。
意外なつながりでゲイバレしてしまいましたが、隠さずにゲイ話をしながら飲める酒は、格別でした。今まで、誰かにバレたらどうしよう…とビクビク閉じこもっていた自分が一瞬でアホらしくなり、自分をさらけ出すとこんなに解放された気分になれることを知りました。
初めての感覚でした。
でも、結婚して子供がいる自分には、少し遅すぎました。
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